2013調査研究発表会

◆ 調査研究発表会の開催(平成25年度)

住生活月間協賛で下記「都市・住宅団地の再生に関する調査研究発表会」を開催した。

また、発表者を囲む会も同時に開催し、内容の理解向上と参加者間での交流促進を図った。


・東京会場(第1回)

【日 時】 平成25年10月4日(金) 18:30~20:30

【会 場】 霞が関東海倶楽部(霞が関ビル35階)

【内 容】

大震災から考える超高層住宅の現状と課題

<発表者>

日本女子大学 定行 まり子

文化学園大学 浅沼 由紀 他

<概要>

超高層集合住宅は、開放感や眺望など魅力的な居住形態となっているが、東日本大震災のような非常時には、他の集合住宅以上に災害の影響を大きく受けることが懸念され、特に乳幼児や高齢な家族がいる世帯ではより深刻化する。本調査では、東日本大震災を経験した関東および、東北仙台、阪神淡路大震災で甚大な被害を受けた神戸の超高層集合住宅を対象とし、震災時の居住者・管理者の具体的な体験についてヒアリング調査を行い、建物等のハード面の被害状況、居住者の避難や助け合いの実態、またその後の対応、防災対策について整理し明らかした防災上の課題と日常生活上の諸問題、さらに高層住宅のコミュニティ形成と防災対策のあり方について発表した。


・東京会場(第2回)

【日 時】 平成25年10月21日(月) 18:30~21:00

【会 場】 霞が関東海倶楽部(霞が関ビル35階)

【内 容】

(1) 香港における公共住宅の持続性とコミュニティ施策に関する研究

<発表者>

千葉大学 小畑 晴治

日本女子大学 北原 玲子

<概要>

1997年に英国から中国に返還された香港は、戦後の公共住宅対策で先進的な取り組みを行ってきたが、1971年に、世界でも稀な香港の超高密度の団地開発の実態を調査すべく、日本住宅公団(現:UR都市再生機構)職員を中心に10人(団長住宅公団青柳幸人氏)で香港住宅公団(HKHA)を訪れたこと、2004年にHKHAに設立50周年の国際会議があった(会議の主要報告の翻訳版を当財団がまとめている)ことを受けて、東京大学の大月敏雄准教授の指導を得ながら、千葉大客員准教授の小畑晴治と日本女子大の北原玲子研究員が、現地調査を含む最新のHKHAのコミュニティ施策の取り組みについて調査し、その成果を整理、分析してまとめたものを発表した


(2) 英国の都市・住宅政策と団地・住宅地再生の動向に関する調査

<発表者>

獨協大学 倉橋 透

中部大学 佐藤 圭二

高崎経済大学 土肥 将敦

(一財)日本開発構想研究所

<概要>

先進的な都市政策と住宅政策に取り組んでいる英国の動向について、特に、1)サッチャー政権において創設されたRight to Buyの今日的評価、2)団地・住宅地の再生に関する都市デザインを大きく規定している「デザイン・ガイドライン」の現実と課題、3)団地などのテナント・エンパワーメントに代表される社会経済計画と社会的起業の状況にスポットを当てて、調査した。

研究に外部専門家2名をゲストスピーカーとして招き、それぞれの知見をお聞きし意見交換した他、日本での団地や住宅政策に詳しいイアン・カフーン氏(元千葉大客員教授、英在住)へのヒアリング(Eメール)も行っている。これらについて発表した。


・大阪会場

【日 時】 平成25年10月17日(木) 18:30~20:30

【会 場】 大阪弥生会館

【内 容】

都心居住(大阪圏)に関する調査研究(その2)の概要

<発表者>

都市住宅学会関西支部市街地住宅研究会

㈱URサポート

<概要>

大阪の都心居住は、時代の変遷を経て今新しい局面を迎えている。特にタワーマンションの増加は際立っている。一方、昔ながらの居心地の良い場所、住まいの古さに拘泥せず都心の「まち選び」を行う居住者、セーフティネット機能、職住共存の歴史など、数々の大切にしたい顔がある。今年度は特にタワーマンションに着目し、都心部での立地動向、居住者像・ライフスタイル及び災害リスクの検討を行った。併せて、都心居住者の意識・行動、コミュニティ形成及び生活支援施設の立地状況等についても新たな調査を加えた。これらの結果を踏まえて、大阪らしい、懐深い楽しい「まち」と「住まい」の実現に向けた大阪都心居住の課題を提示し描いた展望等について発表した。