2022調査研究発表会

◆調査研究発表会の開催(令和4年度)

住生活月間協賛で下記の調査研究発表会を東京と大阪で計3回開催した。

・京都会場

【日 時】令和4年10月4日(火)18:00~21:00

【会 場】TKPガーデンシティ京都タワーホテル

参加人数 24人

【内 容】

(1)商店街等におけるストック活用とコミュニティ再生に関する調査研究

     ― マルシェ型イベント等の導入の効果とスキームのあり方を入り口にー

  <発表者>    川幡祐子  (一社)大正・港エリア空き家活用協議会代表理事

            弘本由香里  大阪ネットワーク㈱エネルギー・文化研究所特任研究員

  <概要>

 本調査研究は、大阪市でもっとも古い商店街の一つである三泉商店街で取り組んだ、空き家活用を目的としたマルシェ型イベント導入の成果と課題を分析したものであり、さらに全国各地の特徴的なケースのヒアリング調査を行い、持続的に発展させていくための有効なスキームや体制のあり方、エリアの価値向上につながるマネジメントの仕組み等について考察を行った。

(2)京町家の保全・継承に向けての動向調査

  <発表者>   研究会

            主査 高田光雄 京都美術工芸大学教授

            ワーキング

             森重幸子      同 准教授

             生川慶一郎     同 准教授

             花崎あゆみ (公財)京都市景観・まちづくりセンター事業第一課主任

             網野正観           同 事業第一課

  <概要>

本調査研究は、前回実施した調査(2013.2014年)以降の7年間に展開された京町家の保全・継承の取組を、行政、市民団体等による活動など横断的に調査・整理し、課題についての考察を行ったものであり、これからの京町家の保全・継承の推進及び類似の地区における保全、継承の取組に向けて学ぶべき事項を検討している。

東京会場(第1回)

【日 時】令和4年10月21日(水)13:00~16:00

【会 場】学士会館302会議室

参加人数 18人

【内 容】

(1)中国のマンション管理とコミュニティに関する研究(その2)

   <発表者>  周藤利一 (横浜市立大学客員教授)(録音音声による発表)

  曹 雲珍 (日本不動産研究所主任研究員)

   <概要>

  本調査研究は、昨年度に引き続き、マンション管理における制度や業務の日中比較分析によって、中国のマンション管理の特徴と課題、マンション・コミュニティの現状を明らかにすることを目的にしている。また、今年度は中国におけるマンション法制度等の最新事情を取り上げるとともに、コミュニティや不動産管理業界の実態などについて掘り下げを行った。

(2)デンマークの非営利住宅のリノベーション手法に関する調査研究

     ―「ゲットー政策」を中心に脆弱住宅地域への近年の取り組みー

    <発表者>  伊藤俊介(東京電機大学教授)

    <概要>

本調査研究は、デンマークの住宅政策の特徴を概観する中で、非営利住宅の仕組みと性格を明らかにするとともに、その理想と相反して社会問題化した団地に対する総合的な対策(ゲットー政策:ここでは特にハード面)を、具体的な事例を通して紹介するものである。なお、あえて「ゲットー」という異論の多い言葉を用いることで、社会的なプログラムを含めた団地リニューアルの必要性の高さが周知されたものと考える。

東京会場(第2回)

【日 時】令和4年10月26日(水)13:00~17:00

【会 場】学士会館302会議室

参加人数 22人

【内 容】

(1)品川宿33年間の活動報告「みんなで楽しんでこそ、まちづくり」

   <発表者>  佐山吉孝(旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会)

   <概要>

  本調査研究は、東海道五十三次の第一番目の宿場町として知られた、旧品川宿におけるまちづくり活動について昭和63年から令和3年3月末までの期間を考察したものである。「祭り」をキーワードに旧品川宿という個性と課題に触れつつ、品川宿のまちづくりとはどんな活動であったのか、次代を担う人たちに伝えるべきこと、他の地域のまちづくりに役に立つこと、そして、まちづくりとは何であるのか、この4点を明らかにしたい。

(2)国立市における多世代交流を進める居場所づくりとコミュニティ形成を促す広報活動に関する調査研究

    <発表者>  鴇田美緒(高齢者を支える地域の絆づくりの会)

    <概要>

本調査研究は、国立市内で活動する「絆の会」が毎月発行している「絆だより」に掲載した紹介記事などを纏めることによって構成されている。そして、これらの紹介を通じて、本調査のテーマである「コミュニティ形成を促す広報活動」の重要性を具体的な形で伝えることとしたい。また、「絆の会」が中心となって立ち上げた居場所「ひらや照らす」について、アンケート等を通じて様々な年齢の人達が憩う場として活かされていることを紹介する。

(3)里山里海地域の地域活性化・持続可能な社会づくりに資する空き家活用に関する調査

    ―都市住民と地方住民とのwin-winな空き家活用に向けてー

  <発表者>  田邊寛子(まちひとこと総合計画室代表)

  <概要>

本調査研究は、2つの地域(長野県辰野町と奄美群島)について、それぞれの地域で丁寧に空き家活用活動を展開している、まちづくり視点を持った民間団体の活動を紹介する。

 各団体は自主事業として資金投資と回収などのリスクを取り、空き家の維持管理・活用に関わることで、空き家を流動化し、不良債権化させない取り組みを進めており、その団体の当事者や活動に関わることで、具体的に手法やノウハウを明らかする。