2019調査研究発表会

調査研究発表会の開催(令和元年度)

住生活月間協賛で下記の調査研究発表会を東京と大阪で開催した。

また、発表者を囲む会も同時に開催し、内容の理解向上と参加者間での交流促進を図った。

・東京会場(第1回)

【日 時】令和元年年10月2日(水)18:00~20:30

【会 場】東海大学校友会館(霞が関ビル35階)

【内 容】

(1)建設後30~40年経過した民間分譲マンション団地におけるコミュニティ形成と成熟の過程と課題について  ~東京都板橋区「サンシティ」を対象に~

  <発表者> 定行まり子 (日本女子大学教授)

         江川 紀美子 (日本女子大学助教)

         古賀 繭子 (日本女子大学学術研究員)

  <概要>

  サンシティの管理組合は各分野を専門とする居住者が主体的に活動し、質の高いマンション管理が行われ、居住者同士のつながりが深まる機能を果たしており、その活動により、良好な居住環境が維持され、また、子世代が戻って親世代と近居している人も多く見られる。

  成熟期にあるサンシティの管理活動は、一方で高齢化が進み、各活動おいて後継者不足によって継続が困難になりつつある。コミュニティを持続させるためには、若い世代の活動参加促進、共用施設の運用方法の更新、緩やかな交流の場づくり等が求められる。

(2)ドイツ「多世代の家」に関する調査研究   ~人口変動に対応する連邦プログラム~

     <発表者> 魚住 明 (城西国際大学教授)

          原  俊彦 (札幌市立大学名誉教授)

     <概要>

  ドイツでは、少子化、高齢化、人口移動等の地域の問題に対処するために、2006年から連邦プログラム「多世代の家」による地域活性化の取り組みが進められている。「多世代の家」とは、多世代型住宅をモデルにして作られた地域のミーティングポイントであり、地域住民が集い、世代や文化を超えて交流と相互支援を行う場である。連邦政府と地方自治体からの財政支援と、福祉支援団体や地元企業、地域住民のボランティアがそこでの活動を支えている。本調査研究では、現場や専門家へのヒアリングを通じて、連邦プログラム「多世代の家」の意義と課題を明らかにしようと試みた。

・大阪会場

【日 時】令和元年10月15日(火)18:00~20:00

【会 場】ホテルモントレ ラ・スール大阪

【内 容】

  地域包括ケアシステムに向けたコミュニティとライフスタイルの形成に関する研究(その2)

   ~就労とケアを連携させた新しいすまい・コミュニティの研究

<発表者> 三浦 研  (京都大学大学院教授)

佐藤 由美 (奈良県立大学准教授)

前田 昌弘 (京都大学大学院講師)

山口 健太郎 (近畿大学教授)

関川 華  (近畿大学講師)

<概要>

昨年度調査では、介護保険以外の生活支援において、支え手と受け手に分かれるのではなく、役割を持ち、互いに支えながら活躍するシステムが求められていることを把握した。

今年度は、介護保険制度の枠にこだわらず、就労とケアを連携させて提供する「新しい住まいや拠点のあり方」の事例を「高齢者」、「子育て」、「地域」の3つのカテゴリーに分けて収集。

これまで支えられる側面から語られることが多かった立場の人々が、支える側に立つ事例も採取した。いずれも先進的な事例であり、社会課題に対する多様な解を提案している。

東京会場(第2回)

【日 時】令和元年10月28日(月)18:00~20:30

【会 場】東海大学校友会館(霞が関ビル35階)

【内 容】

 公団面開発市街地住宅の軌跡

 <発表者> 公団面開発市街地住宅研究会 

青柳 幸人、宇田川 晴郎、小林 義和、井関 和朗

 <概要>

本調査は、公団面開発市街地住宅の役割や制度が発足した背景を体系的に説明するとともに、規模や開発条件等から代表的な約70のプロジェクトを取り上げ、その建設概要、住宅計画、施設計画、計画の趣旨、当時の克服しようとした課題、行政とのやり取り、実際の成果などを当時の担当者が中心となってまとめた。また、光が丘パークタウンなど日本を代表するプロジェクトに関して、開発当時の状況、エピソードや今後に向けた提言などを記し、今後の都市開発、住宅建設を進めるうえで参考の書となることを目的として作成した。